【2025年、経営者の視点】若手が牽引する「アレンジャー」戦略[中村展設・小川 裕久 氏]

中村展設 代表取締役 小川 裕久 氏

当社は創業から100年以上続いてきた伝統ある企業です。その中で思うのは、長く続く企業は常に変化し続けているからこそ生き残れるということ。これまで築いてきた伝統を大切にしつつ、若手を中心にした新たな社風をつくり上げたいと思っています。会社として次の数十年、さらには100年を見据えた流れをつくることが私の役目です。

また、クライアントとの信頼関係をさらに深め、それに応えるための企業体としての成長が必要です。そのためには大企業と同じ土俵で戦うのではなく、“アレンジャー”として尖った強みを発揮していきたいと考えています。

若手社員を積極的に部長職などのマネジメントポジションに抜擢しました。最初は不安もありましたが、この1年弱で着実に成長を感じています。これまでは年配の優秀な社員に依存する傾向がありましたが、世代交代を図る必要があります。ベテラン社員には引き続き重要な役割を担ってもらいつつも、ノウハウを若手に伝えながら、若手が実質的な権限を持つ体制を整えています。現在では若手社員が自ら考え、行動するカルチャーが生まれ始めています。

2024年は重要なポジションを突然任されて戸惑う部分もあった年だったと思います。それでも社員一人ひとりが頭を回転させながら動いてくれたおかげで、少しずつ自分たちのスタイルが確立されてきました。今年はさらにその流れを加速させ、若手の能動的な動きを支える年にしたいと考えています。

中村展設の強みのひとつは、優秀なパートナー企業とのネットワークです。最近ではバーチャル展示や新しいテクノロジーを持つ企業との連携も増えています。これからも、自社だけで尖るのではなく、尖った企業と積極的に組むことで、お互いに価値を高め合いたいと考えています。クライアントから見た中村展設が「安心して任せられる企業」であると同時に「新しい提案が期待できる企業」であり続けたいと思います。

イベント業界や展示会業界は、各社が協力し合いながら業界全体のステータスを上げるための努力をしています。その熱意は、私が社長に就任して改めて感じたことのひとつです。当社としても、業界全体の活動に積極的に関わりながら、業界全体の発展に貢献していきたいと考えています。

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