(掲載=「見本市展示会通信」2025/4/15号)

――イベント業界に入ったきっかけは
舛井 地元に近かった新江ノ島水族館で、潜水艇が飾られているエリアを演出したプロジェクションマッピングを見て、足を止めました。そこは普段、暗くてあまり興味もなく素通りしていたエリアでしたが、マッピングで空間が一変して見えました。「どこの会社がやってるんだろう」と調べたときに、タケナカ(シンユニティグループの一社)を知ったんです。
もともとは街づくりに興味があり、不動産業界で就活を進めていました。でもイベントは形として残らなくても、人の意識を変えたり、気付きを与えることができる。それが面白いです。タケナカに入社後は、どうしても企画の仕事がやりたくてシムディレクトへ移りました。

――印象に残っている仕事を教えてください
舛井 初めて担当したのは柴又帝釈天でのマッピングです。イベント自体は成功したものの、当時は目の前の仕事で手いっぱいで、自分がうまくできたという実感はありませんでした。ただやはり、初めて責任をもって携わった案件なので、今振り返っても印象に残っています。
その後はいろいろな案件を経験するうちに、グループ全体のマーケティング部門の仕事にも関わる機会が増えました。全体を見渡しながら動くことが求められるので、より広い視野で仕事を進められるようになったと思います。
――仕事で難しさを感じる部分は
舛井 人とのコミュニケーションでしょうか。メンバーが増えると、それぞれ仕事の姿勢や考え方が異なるので、どこまで意見を言っていいのか、求めすぎてもいけないし……と悩むことはあります。ただ遠回しに言うと伝わらないこともあるので、最近は「言うときは言う」スタンスを目指しています。
――プロデューサーという立場もありますね
舛井 細かく指示しすぎず、相手が考える余白を残すようにしています。その方が、思いがけないアイデアやより良いものが生まれることが多いんです。「この作業をやってほしい」と具体的に指示するのではなく、目的を実現するために何ができるかを考えてもらうような伝え方を意識しています。
――影響を受けた人はいますか
舛井 ある旅行会社のイベント部門の女性担当者です。本当にパワフルで周りから愛されていて、メールの文章ひとつとっても気遣いが行き届いていると感じます。イベント業界では女性のプロデューサーがまだ少ないのですが、近くにそんな存在がいることが励みになります。あとはチームの後輩たちも、企画書づくりや仕事の進め方が私より上手で、いつも刺激を受けています。
――今後の目標は
舛井 シムディレクトとしては、単にイベント空間を演出するだけでなく、お客様の課題の手前から深く関わっていきたいと考えています。演出にとどまらず、例えばSNS運用のサポートやより広い戦略提案まで踏み込めるのが理想ですね。個人的には、それらに必要なスキルを身に付けたいと思っています。これまで演出や企画が中心だったので、新しい分野の知識を学びながら、仕事の幅を広げていきたい。とはいえ、私自身が何でも抱え込まず、仕事を適切に割り振れるようになることも目標です。
また、グループ全体で海外展開も進んでいるので、英語を勉強して海外案件のプロデュースにも挑戦したいですね。
