(掲載=「見本市展示会通信」2025/4/15号)

――現在の仕事内容を教えてください
北條 展示会やイベントの装飾会社を中心に、営業を担当しています。チームでの仕事の取りまとめと、若手社員の教育も行っています。
――入社してすぐと現在とを比べて、仕事の進め方にどんな変化がありましたか
北條 入社当時は1から10まですべて一人で仕事を進めていましたが、今ではチームで動くことを意識して仕事を進めるようになりました。
今のポジションに就いてすぐは「自分がやったほうが早い」「説明するほうが大変」という気持ちが邪魔をして、なかなか人に仕事を任せられませんでした。でもこれって本当は空回りしていたんですよね。一人の力でできることは限られているから、大きな案件ほどうまく進まない。悔しくてさらに自分でやろうとする。でもやっぱり体は一つしかない。
ついにどうしても誰かに仕事を振り分けなきゃいけなくなったとき、自分だけで仕事を抱え込むよりも、ずっと質の良い仕事ができた。そこでようやく、チームで仕事を進めることの重要性が腑に落ちた感じがしました。とにかく周りを巻き込みながら、まず進めてみるのが重要ですね。最近はチームでやったほうが良い仕事と自分でやったほうが良い仕事の判断をしながら、バランスがとれるようになってきたと思います。
――最近は仕事で特にどのような点を意識していますか
北條 お客様からお問い合わせをいただいた際のレスポンスは常に意識しており、レスポンスが早いほど信頼関係の構築につながっていき、とても重要な事だと感じています。
また、外部とのコミュニケーションについて、自分とお客さんだけの一対一で済ませず、ほかのメンバーも加えるようにしています。今までは打ち合わせをするのも、現場に行くのもすべて自分、といった仕事のやり方でしたが、チーム全体でクライアントとコミュニケーションをとることを意識するようになりました。
――今の目標について教えてください
北條 メンバーを育成し、チームとしての仕事の質をもっと上げることです。具体的には、クライアントから「この人に頼みたい」と信頼で選ばれる人材を育てていきたいです。
若手社員のうち、人によっては一対一の会話が苦手なようで、顧客に聞くべきことを僕に聞いてしまう場合もあります。先輩ではなくクライアントと対話を重ねなければ、相手が求めているものを吸い上げられません。話しづらい相手とこそ会話してほしいです。
僕も会話を積み重ねて、クライアントとお互いにやりやすい方法を探って進めてきました。ここでできた信頼関係が、仕事で辛いときに支えになることもあります。僕はコロナ禍でイベントの仕事がなくなってしまったとき、多くのお客さんや協力会社の方が励ましてくれたことが、心の支えとなりました。だから自分の役割には、若手の社員がクライアントと会話をする機会を作ることも含まれていると思います。チームのメンバーがクライアントとの信頼関係を順調に築いていける仕事の流れを、マネジメントする側の立場からフォローしていきたいです。