
ケルンメッセは6月3日から5日の3日間、「オルガテック東京2025」を東京ビッグサイトで開催した。4回目の開催となった今回は、15カ国から157社が出展し、前回を上回る4万4,891人が来場した。
今回のコンセプトは、毎年掲げているテーマ「SHIFT DESIGN」を掘り下げ、「BORDERLESS ~オフィスは私へ~」とした。従来の「働く場所の拡張」といった考え方を超えて、オフィス空間そのものが個人に寄り添い、柔軟で多様な在り方へと進化していく視点を提示した。
会場内では、上下階を活用した動線設計によって来場者の回遊性を高めた。特に上階ではホール照明を落とし、各ブースがライティング演出により独自の世界観を演出した。本国・ケルンでの開催で採用している展示演出を取り入れた試みは、東京では今回初めての実施となり、多くの注目を集めた。
プラチナスポンサーであるイトーキ湊宏司代表取締役社長は、「ファッショナブルな来場者の姿が多く見られ、オフィスづくりにおける『デザイン』の重要性が一層高まっていることを象徴していると感じた。オフィス家具メーカーにとどまらず、多様なバックグラウンドを持つ出展者が増えた点も印象的だった。こうした新たな視点の広がりが、業界のさらなる活性化につながることを期待している」とコメントしている。
コンセプトを体現した空間デザインとモノづくりの姿勢を称える恒例の企画「ORGATEC TOKYO Awards」では、コクヨブースがグランプリと出展者が選ぶベストブース賞のダブル受賞となった。
ケルンメッセ・髙木誠代表取締役社長は「展示ブースやプレゼンテーションの質の高さは圧倒的だった。また来場者が空間や働き方について真剣に語り合う姿が印象的だった。オフィスというフィールドを超えて、社会全体に広がる議論と実践の場として、本展がさらに成長していく手応えを感じている」と同展を振り返る。
次回は2026年6月2日から4日、東京ビッグサイト・南展示棟で開催予定となっている。





