

カメラおよび関連機器の展示会である「CP+(シーピープラス)」には一般消費者も多く集まる。富士フイルムブースは、単なる製品展示ではなく「体験」を重視した空間となっており、来場者がブース内を行き来しながら自然と滞在時間を延ばしたくなる仕掛けが随所に見られた。
●カメラを楽しむ2階建てブース
1階には、来場者がカメラを実際に試せる撮影体験エリアが二つ設置されていた。「Xの時計台」では、フィルムシミュレーション機能を使い、静物撮影での色の違いを楽しめる。フィルムを交換するような感覚で異なる色表現を試せるため、富士フイルムならではの表現力の豊かさを実感できる。「風と光のダンス」では、ダンスなど速い動きの被写体を撮影することで、カメラのオートフォーカスや連写性能、動画機能を試せる。動画撮影向けの推奨カメラやレンズがピックアップされ、初心者から本格的な映像制作を行うユーザーまで幅広く対応していた。


隣接する二つの撮影エリアは、それぞれのエリアにいる来場者がもう一方の存在に気付けるような設計になっていた。静的エリアからは布が舞う動的な演出が見え、動的エリアからは奥に時計台が視界に入る。それによって、ブース内の回遊を促す仕掛けとしても機能していた。
2階エリアには高さを活かした工夫があった。1階「風と光のダンス」エリアに設置された円柱オブジェの上部には、カメラのダイヤルグラフィックが描かれており、2階に上がることで初めてそのデザインに気付ける。また、望遠レンズ体験エリアでは最新のXF500mmやGFX500mmをはじめとする望遠レンズを試すことができるが、二階からしか見えない位置に動く動物の人形がひっそりと隠れており、気付いたら思わず望遠レンズを向けたくなる。


●技術展示やセミナーも充実
ブース内ではカメラの最新技術やブランドの歴史を学べる展示エリアも設けられた。「X seriesヒストリー展示」では、富士フイルムの90年以上の歩みを歴代の製品とともに振り返った。
「カメラ・レンズ技術展示」では、GFX/Xシリーズの技術進化を紹介。最新のセンサーやレンズ技術を解説したパネル展示に加え、レンズの基盤となる「光学ガラス原塊」も展示された。
写真家や映像クリエイターによるセミナーやワークショップも盛んに開催され、撮影技術のコツや作品作りのヒントを学ぼうと多くの参加者が集まった。ほかにもクイックメンテナンスサービスやデジタルカメラ出張サポートセンターも併設され、GFX/Xシリーズの外観クリーニングやファームウェアアップデートをその場で受けられるサービスも提供されていた。

