誰もが気持ちよく過ごせる現場をつくる|イベントのしごと[ホットスケープ/制作部]

ホットスケープ 制作部 吉野 若菜 氏

相談の一歩目から支える

吉野 制作部に所属しており、クライアントからイベントのご相談をいただく最初の窓口になることが多いです。会場探しから始まるケースもあれば、「何をすればよいのか分からない」といった段階からご相談いただくこともあります。お客様に寄り添いながら、準備から当日の運営までをサポートしています。

ご相談として多いのは「こういう雰囲気を出したいが、どんな造作がよいか」や「どんな準備が必要か」といった内容です。それに対し、内容とご予算をすり合わせながら、実現可能な形に落とし込んでいくのが私たちの役割です。

高級感や新鮮味のある会場をご希望されることも多いため、新しいホテルのオープン情報があれば、すぐに宴会場の使用可否を確認しています。日々アンテナを張って情報を収集し、選択肢を多く持つことが提案力につながると感じています。

吉野 高級ブランドの展示会などを担当するようになってから、特に意識しているのは、空間全体の統一感です。例えば、電源コードや機材の車輪といった、一見些細な部分でも表に出てしまうと、せっかく作り上げた世界観が台無しになってしまうことがあります。

そのため、そうした細部にまで徹底的に意識を向け、空間づくりを心がけています。

吉野 学生時代に「ツーリズムEXPOジャパン」の事務局でアルバイトをした経験が、イベントに興味を持つきっかけでした。1年がかりで多くの人が力を合わせてひとつのイベントをつくり上げている姿を見て、すごいなと感動したのを覚えています。

ただ、当時は業界に関する情報が少なく、新卒ではイベント関連の仕事にたどり着けず、別の業界に就職しました。それでもイベントへの思いが忘れられず、転職活動を通じて今の会社に出会いました。
ホットスケープを選んだ決め手は、面接のときの「人の雰囲気」です。他社にもいくつか応募しましたが、一番自然体で話せたのが印象的でした。構えずにいられる空気がありました。

2019年に入社して間もなくコロナ禍となりましたが、私自身、イベントに対する固定観念が少なかった分、開催形式の変化にも柔軟に対応できたのではと思っています。オンラインイベントなども「こういうのもアリなんだ」と、すっと受け入れられました。

 

吉野 私は、感情の起伏があまりない性格で、人生でほとんど喧嘩をしたこともないくらいです。だからか、みんながハッピーでいてほしいという気持ちはとても強いです。

現場でも「誰かが嫌な思いをしていないかな」とか「この現場、最悪だったなんて思われたくないな」と、よく考えています。関わるすべての人が気持ちよく仕事できるようにすることが、私にとって一番大切なことかもしれません。

吉野 時計メーカーの新作展示会ですね。販売店向けに、毎年新作を発表する場として開催されているもので、初めてほぼ一人で任された案件でした。

会場探しから構成、施工提案、図面作成まで、クライアントと一緒に検討しながら進めていきました。自分のキャパシティを超えていると感じる場面もありましたが、協力会社の方々にたくさん相談し、助けてもらいながら無事に乗り越えることができました。

2日間の本番に向けて、準備は半年以上前から始まりました。会場探しも含めると、実質1年がかりのプロジェクトです。現在も継続して担当させていただいている、私にとって大切な仕事です。

吉野 「演出がよかった」や「運営がスムーズで助かった」とお客様から声をかけていただけたときは、本当にうれしいですね。ステージイベントが終わった後に、テクニカルスタッフや進行の方たちと「今日、うまくいったね」と振り返る時間も好きです。みんなで一つの現場を乗り越えた感がある、あの時間がとても気に入っています。

また、イベントが無事に終わったときの達成感だけでなく、日々のやり取りの中にも楽しさを感じています。打ち合わせの中で冗談を交わしたり、「こんなことやっちゃったら面白いかも」と盛り上がったり。そういうコミュニケーションも楽しいです。

あとは普段行けない場所に行けたり、ホテルの宴会場に出入りできたりするのも、イベントの仕事ならではの非日常感ですね。

吉野 イベントは、クライアント社内での一大プロジェクトになっていることが多いです。そのため、経営層や意思決定者と直接やり取りする機会が生まれやすく、企業の方針や思いに直接触れることができます。通常の企業であれば何年もかけて得るような経験だと思いますが、イベントという手段を通じて、比較的早い段階から深く関われる点に、やりがいと面白さを感じています。

吉野 思っていた以上に地道な作業が多い点かもしれません。資料作成や準備が中心で、現場は一瞬で終わることもあります。「もっとクリエイティブな仕事がしたい」と思って入ってきた方にとっては、ギャップを感じることもあるかもしれません。

企画そのものは既に決まっていることも多く、私たちは「こうしたい」という要望に対し、「それならこういう方法で実現できます」と提案する立場です。予算の制約もあるため、やってみたいことがそのまま、できることになるわけではありません。過去の提案を別案件に転用することもありますし、現実的な調整も業務の一環です。

吉野 最近は、PRや情報発信まわりの知識をもっと深めたいと感じています。クライアントの広報やマーケティング担当の方とやり取りする中で「こういう伝え方をしているんだな」と気付かされることが多いです。

現在、当社ではPR領域は担当していませんが、自分の引き出しとしてそうした知識を持っていれば、より幅広い提案ができるのではないかと思っています。

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