若手が根付く環境を目指す|イベントのしごと[中村展設/展示施設営業部]

展示会やイベントの空間ディスプレイを手がける中村展設で、企画提案から現場管理までを一手に担うのが福井氏だ。最近では、平均年齢30代前半へと若返った組織の中堅として、直取引と代理店案件をバランス良くこなしながら全国を飛び回る同氏に、仕事観と今後の展望を聞いた。

中村展設 展示施設営業部 マネージャー 福井 樹 氏

福井 展示施設営業部には現在14名が所属しており、社内の設計担当は2名です。不足する場合は、外部のデザイナーとチームを組んで対応しています。案件ごとに人選して、設計から現場管理まで全体を見ながら進めています。

入社して3~4年目の頃に担当した全国キャラバン案件が印象に残っています。ひとつのセットを全国の会場で使い回す形式だったのですが、現場ごとに導線や訴求内容が異なり、設営時間や段取りも毎回変わるんです。以前、先輩に付いて動いたことがあったので、ある程度はイメージがつかめていて。当時は「できます」と即答して引き受けたのですが、今振り返ると、あの案件を断らずにやりきったことが、全国案件を任せてもらえるようになったきっかけだったと感じています。

福井 今は30代前半くらいの世代が中心です。上司も40代ぐらいなので、年齢が近くて話が通じやすいというのはありますね。コミュニケーションが取りやすく、動きやすい環境だと思います。

福井 レスポンスの早さを意識しています。できる・できないの判断より前に、一度しっかり受け止めて、すぐに反応する。そのスピード感が信頼につながると思っています。

当社は自社工場を持っていないため、どうしても価格面では他社に比べて優位性があるわけではありません。その分、対応力や柔軟性で信頼を得ることを大事にしています。

協力会社への依頼は、できるだけ相手にとって負担にならないよう、お願いの仕方にも気を配るようにしています。上から頼むのではなく「今回、お願いできそうですか?」といったやり取りの方が、お互い気持ちよく仕事ができると思うんです。

福井 変わりますね。例えば直のお客様の場合は、「どう見せたいか」「どう伝えたいか」といった表現の部分まで一緒に考えていくことが多く、こちらからの提案力が求められます。

一方で代理店案件では、何よりも施工品質や納期の確実性が重視されます。求められていることが明確なぶん、判断や行動もしやすい面はありますが、責任の範囲もはっきりしているので気は抜けません。相手によって求められることが異なるため、自然とこちらの対応の仕方も変わってきます。

福井 売上を伸ばすことももちろん大事ですが、それ以上に、若い人たちが長く働き続けられるような環境を整えることに力を入れていきたいと思っています。

私たちの業界は、入社して最初の数年がどうしてもつらく感じやすく、なかなか面白さを実感しにくいのが正直なところです。だからこそ、最初は“つらくない状態”をつくることが大切だと考えています。無理に引っ張るのではなく、まずは自然と仕事の流れに慣れてもらう。その上で余裕が出てきた段階で「もう少し頑張ってみたい」と思えるような雰囲気や環境を整えていきたいんです。段階を踏んで、若い人たちが無理なく前向きに成長してもらえるような現場をつくっていくことが、今の自分の役割だと感じています。

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