
8月20日から22日の3日間、東京ビッグサイトで開催された「第27回ジャパンインターナショナルシーフードショー」。主催する大日本水産会は今年、展示会での試食や調理の過程で発生する食品残渣の再利用に向けた取り組みを始めた。
回収の対象となったのは、魚の残渣と廃油。これまで可燃ごみとして廃棄されていた魚残渣は、魚粉や魚油へと再加工され、養殖用の飼料などへ活用される。また各出展者が持ち帰って処理していた揚げ油についても、事前に回収希望を申し出た出展者に対して専用容器を配布。展示会最終日に無償で回収し、ジェット燃料としての再利用を行う。


食品関連の展示会では調理や試食の提供が多く、残渣の発生は避けられない。シーフードショーも例外ではなく、主催者である大日本水産会の長岡英典常務理事は、「冷凍保存された商品であっても、出展後に持ち帰って販売することは難しく、廃棄せざるを得ないこともあった。開催後には多くの残渣が発生し、処理にも費用がかかっていた」と、これまでの状況を説明する。そうしたなかで、サステナビリティへの関心が高まり、廃棄を抑える方策を模索した結果、魚残渣と廃油それぞれに対応可能な企業との連携が実現。今回の取り組みへとつながった。
シーフードショーでの残渣削減への取り組みは、今後も継続していく方針で、展示会終了後には出展者・来場者を対象としたアンケートを実施し、反応や意見をもとに運用の改善を図るとしている。