
PARCO_ya上野(パルコヤ上野)で10月9日から12月6日まで開催中の調査型展示「地図にない国 パンジャ王国展」に行ってきた。本レポートでは、その体験をネタバレなしで紹介する。
地図にない国を「調査」する
本イベントは、パルコのゲームレーベル・PARCO GAMESと、謎解きブランド・タンブルウィードがタッグを組んだ「調査型展示」だ。
2022年、日本最南端の沖ノ鳥島からさらに南西へ約400kmの海域で、未知の文字が刻まれた木片が見つかった。研究の末に浮かび上がったのは、地図に載っていない「パンジャ王国」の存在。来場者は調査員となり、残された言語や発見された品々を手掛かりに、その正体に迫っていく。キャッチコピーは「これは架空か、発見か。」である。
イベントは、パルコヤ上野4Fでの展覧会パートと、上野・御徒町の街を巡る周遊パートの二部構成。所要時間はそれぞれ約60分で、合計2時間ほどが目安だ。展示の各所に掲示されたキーワードを公式LINEに送るとヒントが届く。ヒントは段階的に出してもらえて、最後は答えまで確認できるので、行き詰まっても自分のペースで先に進める。
未知の言語を読む

展覧会パートは、パンジャ王国の数百年の歴史を章立てでたどる構成になっている。会場には、キービジュアルにもなった鼻の長いガイコツやさまざまな記録資料が並ぶ。ただし、説明パネルにはパンジャ語が交ざっている。
つまり、パンジャ語を解読しないことには、王国の文化や暮らしがイマイチ分からない。ここが「調査型展示」たるゆえんだ。受付で渡される冊子にはいくつもの問いが書かれていて、展示をよく見ながら答えを考えていく。展示エリアへ進むと、最初のパネルには「最後の問いに答えることができれば、あなたも一流の調査エージェント」と書かれていた。






面白いのは、終盤ともなると自然にパンジャ語が読めるようになってくることだ。気付けば日本語のほうを読み飛ばしそうになるくらい、すらすら読めていた。最初はただ不気味に見えたガイコツも、少しずつ見え方が変わってきた。
最後の問い、そして街へ
おおむねパンジャ王国のことは分かった。最後の問いにも、自信満々の答えを用意した。この後には周遊パートも控えている。意気揚々と出口へ向かった。
すると、スタッフの方に優しく制された。まっすぐな目で「違います」と。あれ?
最後の問いが解けていなかった。まだ出られない、出てはならない。脱出ゲーム?
* * *
結局、引き返して考え直し、なんとか正解にたどり着いた。目安60分の展覧会パートに、2時間ほどかかった(かかり過ぎだ)。一流とは言えないが、晴れて調査エージェントとして認められた僕は、会場を後にした。展覧会パートで閉じ込められていたのが嘘のように、今度は上野・御徒町の街に放り出される。
周遊パートの中身は伏せておく。ネタバレを避けたいのはもちろんだが、展覧会パートであんなに手こずった調査員が、街に出た途端に冴え渡るはずもない。どうなったかは言うまでもないだろう。
歩きやすい靴で行くことだけはおすすめしておく。すべて終えたとき、外はすっかり暗くなっていた。

外に出ても世界は続く
本イベントに参加する前は、体験型エンタメには閉じた空間が欠かせないと思っていた。脱出ゲームやお化け屋敷のように、扉を閉めて外の世界と切り離すから、物語に浸れるのだと。
パンジャ王国展も、最初は会場の中でじっくりと王国のことを学ぶ。ところが、そのあと会場の外に出ても物語は終わらない。街を歩きながら、気分はずっと調査員のままだった。
上野をこんなに歩いたのは初めてだ。謎解きの勘は最後まで冴えなかったが、土地勘はずいぶん付いた。多分、また来る。
(文=木下 慧輔)
| イベント名 | 調査型展示「地図にない国 パンジャ王国展」 |
| 会期 | 2026年10月9日(金)~12月6日(日) プレイ可能時間:10:00~20:00(展覧会最終入場は18:00) |
| 会場 | PARCO_ya上野4F イベントスペース (東京都台東区上野3-24-6) |
| 所要時間 | 展覧会パート約60分/周遊パート約60分 |
| 入場料 | 展覧会+周遊チケット 3,520円(税込) |
| 持ち物 | LINEアプリを入れた、充電十分なスマートフォン(1組1台以上) |

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