【注目イベント2024】「ProLight & ProVisual」展示会の見どころと業界の未来展望

2024年2月14日から16日にかけて、東京ビッグサイト東7ホールで舞台照明・映像レンタル会社やメーカー、代理店等が一堂に集う、演出に関わるプロフェッショナルのための専門展示会「ProLight & ProVisual 2024」が開催される。コロナ禍を乗り越え、かつて以上の盛り上がりを見せるライブ・エンターテインメント業界において、同展が果たす役割は大きい。そこで、実行委員会を務めるウシオライティングの佐々木氏とエルテックの峯尾氏に、同展に向けた取組みや2024年の見どころを聞いた。

 

コロナ禍が明け盛り上がる業界 ライブ・エンタメの未来を拓く

それぞれの会社の事業についてお聞かせください

ウシオライティング
上級執行役員 映像照明事業部
佐々木 光一 氏

佐々木 ウシオライティングは光や照明を総合的にプロデュースできる、トータルソリューションプロバイダです。エンタメ分野では舞台照明をはじめ映像、ネットワーク製品など幅広く取り扱っています。コロナ禍が明けた現在は、全国でアリーナ施設のオープンや建設計画が進んでいて、そこに導入する演出用フォロースポットライトの需要が伸びている状況です。

峯尾 エルテックでは大型映像のプランニングやプロデュース、映像制作、オペレーションなどを行っています。アリーナ・ドームクラスの会場でコンサートを手掛けたり、大規模な展示会や博覧会の仕事も受けています。映像演出に関わる点ではハード面からソフト面まで対応可能で、施設のアドバイザー的な立ち位置になることも少なくありません。新規施設のオープンなどを見ていると、映像や照明が徐々にグレードアップしていると感じます。

エルテック
代表取締役
峯尾  輝男 氏

両社はProLight & ProVisual実行委員会メンバーですが、どのような体制になっているのでしょうか

佐々木 ProLight & ProVisualは元々、2015年に舞台照明メーカー・代理店が集まる展⽰会「ProLight & Console」としてスタートし、2020年に舞台・イベント映像のエリアを新設することで今の形になりました。現在のところ、実行委員会には照明会社3社、映像会社3社の計6社が名を連ねています。実行委員会では年に5回ほど集まり、展示会のあり方について協議を重ねています。ライブ・エンターテインメント業界に向けて新しい演出手法を発信し、業界を盛り上げていくためにも、出展企業の選定や会場内演出に関わる規定企画内容などを協議しています。今回は、新型コロナの制約を受けずに開催できるということもあり、実行委員会の議論や活動も活発化しました。

 

産業としての基盤を強固に 次世代を担う学生向け企画も

ProLight & ProVisualの特徴はどこでしょうか

佐々木 世の中にはさまざまな展示会があって、私もこの目で見ていますが、来場者の数を求めるあまり主旨がぶれてしまっているなと感じることがあります。ProLight & ProVisualは演出に関わるプロフェッショナルのための展示会である点にこだわりを持っていこうと考えています。本当に大切なのは、いかに自分たちに関わる業界の人に見てもらえるか、自分たちのやっていることを理解してもらえるかということです。

峯尾 照明や映像など舞台演出におけるビジネスは、長いこと産業としてしっかりと認められていなかったという背景もあります。製造業なのかサービス業なのか、どんな仕事をしているのか、それをうまく説明するのはなかなか難しいことです。コロナ禍で興行がなくなれば売上がゼロになってしまうような脆弱な基盤の上で、これまで何とかやってきました。未来のことを考えたとき、エンターテインメントをビジネスとしてしっかりやっていくのであれば、横のつながりを確立し産業基盤を強固にしていくほかありません。ProLight & ProVisualはその役割を担う展示会です。また、業界を盛り上げていくためには次世代へノウハウを継承することも大切です。一朝一夕でできることではないので、業界のことを若い方にしっかり理解してもらい、好きになってもらう場が必要なのです。

佐々木 最近は改善しつつあるとはいえ、決して楽な労働環境ではないので、好きじゃないとなかなか続かないですよね。ProLight & ProVisualは学生の集客も積極的に行っていて、中には大学や専門学校の授業として取り入れていただいているところもあります。イベントに参加するだけでは分からない我々の仕事を実際に目の当たりにして、興味を持ち、そこから進路の選択肢に加えてもらえればと思います。今回、そのための学生向けの会場内ツアーやリクルート企画を実施することも実行委員会で話し合って決めました。

最新のハードとソフトが充実 来て、見て、触れる3日間に

2024年の注目ポイントや、新しい取組みについて教えてください

佐々木 ライブ・エンターテインメント業界に関わる団体が集い、出展者や来場者と交流できるエリアを新たに設けます。各団体が業界発展のために取り組まれている活動内容やサービスを発信いただき、業界内で広く周知していきたいと思います。また、今年12月に米・ラスベガスコンベンションセンターで開催される世界的なライブ・エンターテインメントの展示会「LDI 2023」で展示された最先端の照明機材が、正規輸入代理店を通じて展示されるのも注目ポイントです。

峯尾 映像に関しては製品技術の進歩もそうですが、最先端の技術を用いてどう感動演出を生み出すかという点にも注目してもらえればと思います。今の時代、誰もがスマホで簡単に映像作品を作れるようになりましたが、コンサートなどで使われる大型かつハイクオリティな映像はプロが丹精を込めて作り上げるものです。ハードだけでなくソフト、そしてそれを作り上げる人も、会場でしっかりと見ていただければ幸いです。

最後に、来場者に向けてメッセージをお願いします

佐々木 会場に足を運んでもらえば、出展者がこの展示会に本当に力を入れているのが伝わると思います。リアルな展示会ならではの良さを、ぜひ体験してください。

峯尾 規模的にはそれほど大きくはありませんが、それ故の良さがある展示会です。気になる製品をゆっくり見て、担当者とじっくりと腰を据えて話すことができます。来て、見て、触って、プロフェッショナルのための展示会をその身で感じていただければと思います。

佐々木 長く滞在できるよう休憩スペースも多く用意しますので、どうぞProLight & ProVisualを心ゆくまで堪能してください。

error:
タイトルとURLをコピーしました