複合機やプリンタを提供する京セラは、東京ビッグサイトで開催された「国際物流総合展 InnovationEXPO」に出展し、自社開発のAGV(無人搬送車)を物流業界向けにお披露目した。

AGVは京セラの複合機に搭載されているスキャン技術を応用したもので、床に貼られたビニールテープの色を読み取って自律走行する。一般的なAGVの走行ルートに使用される磁気テープと異なり、ビニールテープは100円ショップなどでも手軽に購入できるため、ルートの敷設費用を大幅に削減できる。
現時点では、自走で最大200kgの積載が可能で、牽引では最大500kgまで対応する。担当者によると、京セラではこれまで30年近くにわたり、三重県や大阪、ベトナムの工場で他社製のAGVを運用してきたが、高コストや機能の制約といった課題があったことから、約10年前より内製化を進めてきたという。その成果として生まれたのが今回のAGVで、本体は複合機のスキャン機能を流用しているため、安価なコストで導入が可能。
今回の展示は参考出展としての位置づけで、製品化と外販の可能性を探る。来春の販売を目指し、業界のニーズを反映させた改良を進めていくという。
