東日本初の屋内バイオガス施設運用開始 TAKANAWA GATEWAY CITY

 東日本旅客鉄道(JR東日本)とえきまちエナジークリエイトは、高輪ゲートウェイ駅直結のエリア「TAKANAWA GATEWAY CITY」のビル内にバイオガス施設を設置した。屋内への設置は東日本エリアでは初となる。
 同じビル内の商業施設「ニュウマン高輪」のオープンに伴い、バイオガス施設が本格稼働し、飲食店やTAKANAWA GATEWAY Convention Centerなどから食品残渣を回収。資源として再利用し、発酵させてガス化することで食品廃棄物の約7割の減量を見込む。さらに生成されたガスを燃料としてビル内の温水ボイラを使用し、ホテルの給湯における約10%の熱を賄う。


 JR東日本は今年3月27日を「TAKANAWA GATEWAY CITY」を街びらきの日とし、「100年先の心豊かな暮らしのための実験場」をコンセプトに、環境に関する活動をはじめ幅広い事業を予定している。水素利活用のファーストトライアル(フェーズ1)として、高輪ゲートウェイ駅に純水素燃料電池システムを整備。段階的に省エネや創エネ、エネルギーマネジメントに取り組み、エリアのCO₂排出量実質ゼロを目指す。
 今回のバイオガス設備の設置のほかにもエリア内で水素社会の実現を目指し、約10haにおよぶ街全体で、水素を含む再生可能エネルギーを活用していく構えだ。街を移動するモビリティや物流での利活用を進める。
 2026年春にオープン予定の大規模複合ビル「THE LINKPILLAR 2」にも地域冷暖房の施設を実装する。50mプール8個分に及ぶ2万㎥の巨大な蓄熱槽を含む設備で、エリア内のエネルギーマネジメントの中枢を担う。


 9月に行ったバイオガス施設と水素燃料電池の現地見学会でJR東日本・天内義也氏はエリアについて「不動産開発の要素だけでなく、さまざまなビジネスが新しく生み出される実験場としての役割も重視している」と話し、「エリア全体を豊かな未来の暮らしを実現する拠点にしていきたい」とビジョンを明かした。
 えきまちエナジークリエイトの鈴木孝子社長は「実験場であるというコンセプトに則り、脱炭素、CO₂排出量の少ない街を新しいチャレンジで目指す。街を訪れる人や住民のみなさんと一緒に活動を進めていきたい」と意気込みを述べた。

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