Report イベント・展示会業界における安全対策とサステナビリティの最新事例共有 第2回ポートメッセ安全対策シンポジウム

ポートメッセなごやMICEコンソーシアムは3月5日「イベント安全対策シンポジウム」を、ポートメッセなごや・コンベンションホールAで開催した。2回目となる今回は、イベントの安全対策とサステナビリティをテーマに取り上げ、イベント主催者や支援企業、施設会場など173名が参加。当日のようすと講演をレポートする。

主催者挨拶
冒頭、愛屋博司館長が挨拶。「イベントの成功の裏には安全対策が欠かせない。イベントの成功は来場者数や出展者の満足などで図ることができるが、イベントが無事に終了しているからこそ成り立つものと話した。また欧米ではサステナブル対応の会場やイベントでないと出展しない企業がある事実を示し、サステナブルがイベントで重要視されつつあるテーマであると説明した。

搬入出時の全員ヘルメット着用に向けた課題と取り組み
/日本展示会協会・安全対策委員会(メッセフランクフルトジャパン 代表取締役社長 梶原靖志 氏、日経イベント・プロ 執行役員 イベント事業担当補佐兼企画・イベントDX推進担当補佐 安藤英賢 氏、RX Japan 会場運営本部/制作本部 本部長執行役員 川村知哉 氏)

ヘルメット着用をテーマに座談会形式で講演した。梶原氏は展示会業界の安全意識の状況について「出展者と出展者の施工関係者によるヘルメット着用率が低い傾向が見受けられる」と述べ、なぜ着用が浸透していかないかを、アンケートの結果や登壇者との寸劇も織り交ぜながら説明した。

今後、ヘルメット着用を普及させていくための方法として梶原氏は「事故事例を伝えることや、組織のトップが社員の安全を意識し、ヘルメットの着用を呼びかけてもらうことが重要」と参加者に呼び掛けた。

イベント施工作業時における熱中症対策
/ラインナップ 常務執行役員ファニシング事業本部本部長 田尻博文 氏

2025年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行され、職場における熱中症対策が罰則付きで義務化した。この変更のポイントについて田尻氏は「国が企業に対し、どのような対策を求めているか、理解することが重要」と話す。特に規則の中で強調されているポイントは、早く「見つける」、熱中症の恐れがある労働者がどういう状態にあるかを「判断する」、症状に適した「対処をする」ことであり、あらかじめ組織の中で対応を共有し、シミュレーションしておくことを求めている。

イベント安全DXの現在地と課題
/Bravesoft  eventos本部プラットフォーム事業部 近田菜優 氏

イベント安全対策におけるITの活用方法と国内外の最新事例について紹介した。近田氏は業界内の人手不足にも触れ「現場のマンパワーだけではイベントの安全を守り切ることが難しくなっている状態」と指摘。また「社会全体から求められる安全の質が高まっている」と分析する。

 講演では安全安心を考えるための9つのカテゴリーを示し、特に事故発生率が高くIT導入の効果が高い、「人流・群衆」、「医療・健康」、「ヒューマンエラー」、「情報伝達」の4つの詳細を説明した。いずれのカテゴリーでもIT活用によって、人数・場所・事実のデータを揃えられる「見える化」、判断基準を事前に決め、ログがあることでどんな人でも即時に同じクオリティの対応を可能とする「基準化」、技術でどの人にも平等に即時にアクションを起こすことができる「即時の連絡」に効果があると述べた。

サステナブルなイベント_環境負荷の見える化と対策
/Zevero CEO 森マーヴィン 氏

イベント運営に伴う環境負荷の可視化や削減策について、これまでに手がけた複数のイベント事例から、同社の取り組みを体系的に紹介した。

展示会をはじめ世界のトレードショーを中心に、出展者の7割以上がサステナビリティを考えている展示会に出展したい、また3割がサステナビリティに取り組んでいない展示会には参加しないというアンケート結果を示し、イベントがサステナビリティを考えなければならない理由の根拠の一つとして紹介した。

 今回のイベントでもZevero社のツールで移動や宿泊、食事、会場で使うエネルギー、資材、廃棄物のCO₂を算定。参加者にも主な移動手段や宿泊数をアンケートでヒアリングし、イベント開催における環境負荷の見える化を図った。

 森氏はイベントにおける今後の調達について「コストと品質が企業やサービスを選定する評価基準だったが、これからは安全とサステナビリティが重要な柱として加わるだろう」と見通す。

サステナブルな大型イベントにおける安全対策
/2025年日本国際博覧会協会 持続可能性局人権・調達チームリーダー 黒川広治氏

2,900万人以上の来場者を迎えた大阪・関西万博の災害時における態勢、関係機関との連携、防災実施計画を紹介。特に地震や津波が発生した際の対応、水と食料品の確保、船舶による代替輸送などの避難動線や各パビリオンへの連絡方法について、実際の会期中の状況と照らし合わせて説明した。持続可能な万博運営に向けた協会の取り組みについても併せて紹介した。

第20回アジア競技大会と第5回アジアパラ競技大会について
2026年9月から10月に開催する国際スポーツ大会「愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会」の概要を組織委員会が紹介した。アジア最大の総合スポーツ、パラススポーツの総合イベントで、アジア競技大会は9月19日から16日間、アジアパラ競技大会は10月18日から1週間開催する。45の国と地域から1万5000人、3600人が参加予定となっている。

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