【レポート】地域事業者がMICE誘致を目指して商談 IME2025

JCCBとJNTOは2月13日、東京国際フォーラムで国際MICEエキスポ(IME)2025を開催した。IMEはコンベンションビューローをはじめとする地域事業者やMICEに関する関連事業者が出展し、開催を検討している主催者、代理店に向けて、地域や会場、商材をプロモーションする。

若松務氏

開会ではJCCB事務局長兼JNTO理事の若松務氏が登壇し、今年のIMEは出展者が80団体87ブースで、バイヤー数や事前商談アポイント数とともに、昨年を上回る開催規模であることを報告し、「リアルの場における商談会に対する期待値の高まり、IMEの提供する価値を感じていただいているのではないか」と述べ、見どころについて説明した。さらに今年の日本のMICE動向について「大阪・関西万博の開催、コングレスクエアグラングリーン大阪やGLION ARENA KOBE高輪ゲートウェイコンベンションセンターの開業など、日本MICEの供給体制が拡大される年。日本経済や社会的なMICEの役割がますます大きくなっていくと感じている」と期待を示した。

商談のようす

特別講演

阪井丘芳氏

その後、今年10月に京都で開催する第15回国際口蓋裂学会で理事長を務める、大阪大学の阪井丘芳教授による「大阪・関西万博から拡がる未来の病院・最先端技術とは~内閣総理大臣賞MA-Tから医療・介護・動物医療・国際会議への貢献~」と題した特別講演が行われた。第15回国際口蓋裂学会は日本学術会議の共同主催国際会議に採択されており、皇室の臨席、首相からのメッセージなど、内閣府からの支援を得られる。阪井氏は「共同主催国際会議となることは無理ではないかと周りから言われていたが、チャレンジしてみると上手くいった。もし申請を検討している人がいたら頑張ってほしい」と語った。阪井氏は大阪・関西万博では、大阪ヘルスケアパビリオンで未来の病院/先端医療展示アドバイザーを務める。内閣総理大臣賞を受賞した酸化制御技術「MA-T」についても紹介し、人々の健康と感染防止、環境問題(家畜の糞から燃料電池への応用など)への貢献に期待感を示した。

国際会議誘致・開催貢献賞表彰式

JNTOが主催する2024年度の「国際会議誘致・開催貢献賞」をたたえる表彰式も行われた。蒲生篤実理事長は、2024年の訪日外国人の年間推計が過去最多となる3,600万人を突破し好調が続いていること、国際会議も昨年5月に発表された2023年に開催された国際会議件数の統計で、日本は世界7位と、前年の12位から順位を上げたことから「政府が掲げる『2030年までに世界5位』という目標に着実に近づいている」と前向きな姿勢を示した。アジア地域の統計では日本が他国を引き離し、連続して開催件数1位で、アジアの都市別ランキングでは上位70位以内に国内15都市がランクインしていることについて「国際会議のためのインフラと、魅力を備えた地方都市が数多く存在するという日本ならではの強みが表れている」と述べ、JNTOの役割について「主催者や開催地域のコンベンションビューロー、PCOなどが工夫を凝らしながら誘致・開催を成功に導いた素晴らしい事例をベストプラクティスとして広く共有し、さらなる国際会議の誘致・開催を促進していく」と意気込みを語った。

貢献賞を受賞した会議には、岐阜市、仙台市、郡山市、富山市、北九州市など、全国各地が含まれおり、地元企業・商店街との連携、地域特有のコンテンツを生かしたエクスカーションツアーの実施、次世代へのレガシー創出、SDGsへの対応などが評価されたケースがあったという。続けて登壇した観光庁の中野岳史国際観光部長は、これらの会議について「多様で参考になるベストプラクティスを生み出してくれている。受賞都市の取り組みが、ほかの地域にも展開され、今後も地域の魅力あふれる案件が次々と選ばれていくことを期待している」と語った。

国際会議誘致の部を受賞した会議は 第15回アジア化学センサ国際会議(2024年、福岡県北九州市) 、第21回世界観光ガイド連盟総会(2026年、福岡県福岡市) 、2026年電磁界理論の先進的応用に関する国際会議及びIEEE-APS無線通信におけるアンテナ・伝搬に関する会議(2026年、富山県富山市) 、国際神経化学会―アジア太平洋神経化学会合同大会2027(2027年、京都府京都市)。

国際会議開催の部を受賞した会議は第22回国際自動制御連盟世界大会(2023年、神奈川県横浜市)、国際天文学連合アジア太平洋地域の天文学に関する国際会議(2023年、福島県郡山市)、第17回岩石-水相互作用国際会議(2023年、宮城県仙台市)、第10回応用数理国際会議(2023年、東京都)、焼結国際会議2023(2023年、岐阜県岐阜市)。

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