社内・チームで振り返る
振り返りを行うためには評価基準をあらかじめ設定しておくことが重要です。目標に対する結果や実績を分析することで出展効果を把握でき、次につなげるための布石となります。
まずは事前に定めた目標の数値と結果の比較、そして達成の可否に関わらず、結果になった要因なども分析します。さらに準備が的確であったか、指示は明確だったか、会期中のアテンドはぬかりなくできていたかなど、あらゆる要因を振り返ることで、成功と失敗の原因を探ることもできます。
「獲得名刺枚数」などの定量的な数値だけでなく、「来場者との会話で印象に残ったこと」「説明をしていて気になったこと」など、アテンドしたスタッフによる定性的評価も重要なので、展示会に関わった社員向けにアンケートを取るのも一つの手です。
振り返りでやること
- 目標の数値
- 結果の数値
- 達成率
- その結果になった要因
- 外的要因か内的要因か
- 準備方法と評価
- 指示・共有方法と評価
- スタッフアテンド体制と評価
アフターフォロー
来場者データを整理・活用する
日本の展示会は顔合わせ、商品説明、商談の約束などが主流で、会期中のクロージングの敷居は高いといえます。その弱点を補うのがアフターフォローです。
まずはじめに、サンプルやカタログの送付など、会期中に来場者から依頼されたことへの対応を迅速に行います。
続いて来場者の情報をデータ化します。重要なのは名刺情報だけでなく、アンケートやアテンドに使ったコンタクトシートから取得したニーズ、興味のある商材など、会期中に取得できた情報を加えることです。業種や会社規模なども大事な項目です。アンケートなどで聞きそびれた場合は、できるだけ調べます。
併せて、各WEBサイト・SNSで情報を発信(出展報告のような形でも良い)し、来場者へメールを送り(ブース訪問のお礼と合わせても良い)、問い合わせやWEBサイトへの誘導を図ります。
その後、来場者データと、メールやSNS、WEBなどフォローとして行った活動の反応から、受注につながりそうな来場者かどうかをスコアリングしていきます。スコアの付け方や基準は商材や業種などにより変化しますが、わかりやすい例では、アンケートで「決裁権を持っている」と回答した人や、来場目的が「商材の導入や購入を検討している」人は、「決裁権を持っていない」や「情報収集」と回答した人達よりも高いスコアになります。
そしてスコアが高い人から優先的に営業し、商談機会を増やします。スコアリングの低い人については興味を持ってもらえるように、アプローチの仕方を見直します。
ITツールで効率化する
来場者データの整理やフォロー、スコアリングの作業は「マーケティング・オートメーション(MA)ツール」を使うことで効率化を図ることができます。
また商談が決まった後はクロージングまでの営業活動を効率化する「セールス・フォース・オートメーション(SFA)ツール」、顧客との関係を深めることで消費単価や受注数の増加を図る「カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)ツール」なども展示会をサポートするツールとして有効です。
新たな仕組みを導入しながら、展示会というFacetoFaceのツールとITツールの組み合わせを通じてクロージングを高めることで、会社の売り上げをつくりましょう。
商談を生み出すMA → 契約を生み出すSFA → 受注額を増やすCRM
次の出展検討へ
展示会の終了は次の展示会への出展計画の始まりを意味します。どこにどれだけの予算をかけて、実際の結果はどうだったか。目標は達成できたか、もし達成できていなかったとしたら、何が足りなかったのか。逆に予算が余り過ぎてしまった項目はないか。それらを厳しい目でチェックしましょう。そして、次回また展示会に出展することを想定して、反省点をまとめましょう。その反省が次の予算計画の礎となるのです。