段取りと信頼が仕事をつくる|イベントのしごと[ニチナン/営業部]

大阪を拠点にイベントや展示会の空間装飾を手がけるニチナンは、モノづくりの知識と技術を強みに成長を続けている。現場経験を重ねつつ建築施工管理技士の資格取得を目指す石森貞氏に、仕事への姿勢や業界の変化について話を聞いた。

ニチナン 営業部 石森 貞 氏

現場の質を支える

石森 営業部ではありますけど、どちらかというと私の業務は施工管理の方が中心ですね。営業らしくはないかもしれませんが、お客さんの窓口として調整することも多いので、営業の要素もあります。今年7月で入社10年になります。

石森 以前はトップダウンの傾向が強かったのですが、今は現場の意見にも耳を傾けてもらえるようになりました。「こうしたい」「やってみたい」という話も通りやすくなったと感じます。

石森 昔から、一定のブランドのようなものはあったと思います。それは長年積み上げた現場の文化というか、大工さんの技術力の高さが大きいです。営業の立場から見ても大きな強みだと感じています。特に会社としての細かい決まりがあるわけではありませんが、現場にいる人たちの技術や意識が高いんですよ。うまく継承されていると感じます。

また事務所の下の階が工場なので、相談がしやすいし、対応も早い。あとは安全への意識。厳しい条件の現場でも事故なく進められるのは、現場のスキルと意識の高さがあるからだと思います。

石森 展示会が重なると、本当に人が足りない。さらにインテックス大阪は施工時間が原則18時までと決まっているので、段取りが命です。そのような中で、大阪独特の良さといえるかもしれませんが、現場では他のブースの職人さんが、終わっていないブースを助けている場面をしばしば見かけます。特に表具屋さん同士の関係が強く、横のつながりがしっかりしているのだなと感じます。

現場の信頼を築く

石森 なるべくお客さんの要望に応えたい気持ちはあります。造作のことも金額のことも。もちろん会社として守るべき利益はありますが、「これしか(予算が)ないんだけど、なんとかならない?」といった相談にも、できる限り応えたいと思いますし、まず協力できそうな点を探します。

石森 何かしらの形で叶えられたらいいなと。あるお客さんから「安心するから、お前が現場に来てくれ」と言われたこともあって、それは嬉しかったですね。

最低限、自分の中で「ここまではやらなければ」というラインは決めています。それを守るために、時には大工さんと意見がぶつかることもあるし、無理をお願いすることもありますが、それも含めてお客さんの信頼につながると思っています。

石森 できる限り断らないのが基本スタンスです。協力会社ともネットワークを組んでいるので、自社で難しい場合も何とか対応できる体制があります。大阪だけでなく、東京や北海道、九州にも協力先があって、全国対応できるのが強みです。九州や名古屋など、東京・大阪以外の開催地が増えてきていて、私も先週は九州の現場に行ってきました。今後ももっと広いエリアで動けるようにしていきたいですね。

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