日本自動車工業会(自工会)が主催する「JAPAN MOBILITY SHOW Biz Week 2024」が10月15日、幕張メッセで始まった。10月18日までの4日間で開催する。
自工会は昨年、70年続けてきた「東京モーターショー」に共創プラットフォームとしての役割を与えるために、名称と共にコンセプトを一新した「JAPAN MOBILITY SHOW(ジャパンモビリティショー) 2023」を開催。475の企業・団体の出展と、1,112,000人の来場者を集めることに成功した。そして、この勢いを継続させ、モビリティ業界を起点に未来を創造する「共創プラットフォーム」の役割をより推進するために今年初め、ショーを隔年開催から毎年開催へ変更することを発表していた。
新たな方針は、偶数年は「プロセスイヤー」として、企業連携を推進するビジネスイベント「ジャパンモビリティショービズウィーク」を、奇数年は「ショーイヤー」として、多くの人々に未来のモビリティを紹介する、本来の見本市や展示会の側面が強いショーケースイベント「ジャパンモビリティショー」を開催するというもの。
開催初日には「未来モビリティ会議」特別セッションが行われ、自工会の片山正則会長(いすゞ会長)があいさつ。「次世代を担うスタートアップや、これまで接点がなかった様々な産業の人たちとともに、未来に向けた事業共創の重要性、その可能性について共有する場となり、新たな発想が生み出されるきっかけなってほしい」と抱負を語った。
ビジネスイベント色を強めた今年の「ジャパンモビリティショービズウィーク」は、自動車大手との共創パートナーを目指すスタートアップの出展が目立った。スタートアップ企業のブースは小規模であるため、会場内には各社のビジネスマッチングを後押しするために、マッチングエリアを特別に設けられていた。
ホンダは自社開発したスマートフォンアプリと自転車に取り付ける電動アシストユニットで構成された「SmaChari」を展示。アプリはアシスト出力の最適化、故障の検知、走行データ管理、位置情報の共有、所有者情報の管理などが行えるという。「展示を通じて機能に関する意見をもらい、実装の検討をしていきたい」と担当者は話す。また自転車に取り付ける電動アシストユニットは、あらゆるタイプの自転車を電動アシスト化・コネクテッド化できることから、「さまざまな自転車メーカーと連携したい」と語った。
ブース壁面のホワイトボードには、「SmaChari」事業のパートナーを募集するイラストが描かれていた。
車両展示を行ったICOMA。出展した「タタメルバイク」は先行受注を受付中という。100V電圧で、3時間で満充電する航続距離30kmのバイクは、その名の通りコンパクトにたためることができる。サイドのパネルは取り換え可能でカスタマイズに対応する。担当者によると、おもちゃメーカーに勤務していた代表・生駒崇光氏が、「タタメルバイク」のおもちゃ模型を作ることで実証・構想を重ねたという。「タタメルバイク」は「CES 2023」で「 イノベーションアワード」を受賞している。
FUSOは電気自動車エリアで、自動追尾式EVごみ収集車のコンセプトモデル「eCanter SensorCollect」を初展示した。
「eCanter SensorCollect」は車両前方と後方に搭載した、Nikonのカメラセンサーが運転席から下車する人をドライバーと認識し、ゴミ集積場に到着後、ドライバーの後を車両が自動追尾する。ドライバーの腕に取り付けたワイヤレス端末を通じて遠隔操作ができるためドライバーが車外から停車させることもできるという。
集積場に近づくたびに乗り降りする必要が無いため、作業員の負担軽減につながる。すでに川崎市で実証実験を行っている。