当日の動き アテンド体制

会場までの集客は主催者が行いますが、何百という出展者のなかから、来場者を自分のブースに集めるのは、出展者の仕事です。アテンド体制はしっかり固めておきましょう。

アテンド体制のポイント

ブースには営業・セールス、技術・開発スタッフに加えて決裁権のある幹部を常駐させるなど、明確に役割を分担する体制を作ることがポイントとなります。

ブースの構成・出展戦略によっては受付やアシスタント、コンパニオン、デモンストレーションのMCなど、ときには外部スタッフの手が必要になる場合もあります。海外に出展する場合は、通訳や現地事情に詳しいアシスタント、コンサルタントといったスタッフも必要です。

環境や企業によって、最小の人数で対応しなければならないケースも少なくないものの、その場合でも商談に向けた準備を事前に細かく行い、必要な情報を完備しておかなければいけません。

アテンド計画の6つのポイントを以下に紹介します。

  • ブースにアテンドするスタッフは、全員会期中の活動目標をそれぞれ設定し、毎日展示会終了後に結果や実績をまとめておく。
  • 毎日、展示会が始まる朝と終了後の夕方、短いミーティングを行い、当日の予定と目標、結果を報告し問題点を話し合う。問題点は次の日の接客に生かす。
  • 決めた方法や予定の変更が必要な場合は、全員で確認を行う。
  • 明るく元気の良い笑顔がある、印象が爽やかなブースを心がける。アテンドスタッフは積極的に対応する。
  • 面談後や質問を受けた場合は必ず来訪者記録を作成し、名刺を添付しておきフォローアップ用のデータを作成する。
  • ブースに外部や臨時のスタッフがいる場合、マネジメントレベルのスタッフや責任者が常に全体の勤務状況を把握し、全員が快適に働けるように配慮する。会期中の業務は多忙になるため、全員の士気を維持する工夫や気配りを欠かさない。

なお以下の項目については全員理解し共有しておくことが重要です。

❶展示品の特色、セールスポイント

❷商品の価格及び取引条件

❸出展目標

❹会社の基本情報

❺ブースアテンド者の情報(氏名、担当業務、勤務時間、コンタクト先)

❻会社としての顧客向けサービスの内容

❼自社がおこなったすべての来場者誘致や広報宣伝

❽自社が予定しているセミナー・実演などのイベント

呼び込みの考え方

待機する場所

ブースを作りこんでも出展者の待機する位置が悪ければ、来場者を遠ざけてしまうことになりかねません。来場者は不用意にアテンドする人に捕まりたくないという意識があり、出展者が待ち構えている場所を避ける傾向にあります。そこで、展示品は通路を行き交う来場者の目に留まりやすい場所に設置し、ブース内で待つスタッフは商品を整理したり、作業をするふりをしたりと動きながら来場者を待ちます。これを動的待機といい、来場者に緊張感を与えない待機の仕方です。もし来場者が興味を示したら、斜め後ろから声を掛けます。視界の端からそっと入るように声をかけることが大切で、アパレル業界ではマニュアル化されている方法です。

人がいる状態を作る

ブースの集客状態には、たくさん人が来るときと、全く人が来ないときで波があります。この現象には理由があり、来場者はブースにほかの来場者がいると、そのブースに入りやすくなるのです。人は人をブースに呼び込む効果があるということえす。そのため多くの見込み客とコンタクトをとるためには、常に一定の来場者がブースにいる状態をキープしていることが理想です。そこで賑わい演出として、人がブースからいなくなったとき、商品を見ながら来場者のふりをし、他の来場者がブースに入りやすい雰囲気を作る手もあります。来場者が集まってくるようならそっと場を離れ、人数の波を減らしつつ、ブースへ入りやすい状態を保つという方法です。

アンケート・コンタクトシートで来場者データを管理

どのような目的であれ、出展目標から欠かせないのが来場者の情報です。来場者に合わたマーケティングで効果を高めるには、ただ名刺を集めるだけでなく、来場者を分類・スコアリングが必要なので、アンケートや、対応した担当者がコンタクトシートを使って話した内容を記録します。「現在会社が抱えている課題」「興味のある商材/どのような商材を求めているか」「(ブースで展示品の説明を聞いて)どのように感じたか」などは聞くようにし、アンケートでは「会社規模」「決裁権をどの程度持っているか」なども確認しましょう。

終了したら

終了時間になったら、最低限の打ち合わせや出品物の確認などを手早く済ませます。そしてブース内にゴミは落ちていないか、また忘れ物はないかなどをチェックし、会場から退出しましょう。

特に最終日は、大型機械の撤去や設営したブースの解体などを行わなければいけません。そのため、出展者もなるべく速やかに撤去作業を行う必要があります。開催後の輸送手続きが済んでいる場合は業者が回収しにきます。自分たちで持ち帰る場合、出展者の車両は展示ホール内へは入れないことに注意しましょう。車両に出品物の積み込みを行うときは、手運びまたは台車でホールの外へ搬出作業を行いあます。

出品物や備品の梱包などの作業は、自社の小間内で済ませ、梱包物や荷物は通路に置かず、ほかの出展者や業者の通行と作業を妨げないことが大切です。主催者や業者に什器や備品を借りた場合は、指定された場所・状態で返却します。会期中に出たゴミは主催者の指示に従って処理します。必ず出展要項やマニュアルに記載されているので、チェックしておきましょう。

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