目的や目標からテーマやコンセプトを軸に、ターゲットとなる来場者が集まる、目標を達成できるブースの企画や見た目を考えます。
ブースの中で何をする?
ブース内の企画は集客とに効果を発揮します。そのひとつがプレゼンテーションによる集客です。手法はさまざまありますが、ここでは
❶セミナー型
❷実演・デモンストレーション型
❸体験型
❹シアター型
❺パフォーマンス型
に分類します。
目標に合わせて、何を、どのように、どのスタイルでプレゼンテーションすべきかを検討します。目標はもちろん、出品物の特徴、知ってもらいたいポイントを把握し、効果的なプレゼンを考えます。とはいえプレゼン手法はさまざまあり、各手法の長所・短所は一概に言えません。いろいろと試しながら経験値を高めてその都度、もっとも目標達成に向けて効果の出る最適解を選択する必要があるでしょう。そのためにも経験豊富なブース施工や運営の専門家にヒントをもらうことが大事なポイントです。
❶セミナー型
開発に携わった担当者や、その業界に詳しい専門家が専門用語なども交えて、詳細を伝えていくタイプ。ほかのプレゼンに比べ、時間的に長く展開する場合が多い。専門的な内容になる場合が多いので、高い関心をもって来場した人の集客には効果的。分野的に関係のない人を含めた集客数よりも、質を求めるときに効果を発揮する。
(例)研究・開発者向け商材など
❷実演・デモンストレーション型
プレゼンテーターや社員が、実機を操作するなど、使用風景をその場で見せるタイプ。操作や使用に技術的・専門的スキルが必要な場合に採用されやすい。手順や操作方法などを解説しながら順を追って説明していく。その模様を画面に映し出しだすことで、体験型よりも多くの人にアピールできる。集客力が高まる反面、実際の操作感覚などの伝達はむずかしい。ステージ上で実演し、興味をもった来場者が体験型プレゼンを受ける複合展開が多い。
(例)デザイン・レタッチのソフト、美容製品、ロボット、調理器具など
❸体験型
来場者が実際に商材に触れ、操作できるタイプ。説明員と来場者がマンツーマンで対応する場合が多い。細かな機能や使い勝手、手順などが使用者の立場によって説明に変化が必要な商材は、大勢を相手にするよりも実機を多く並べて、可能な限り来場者に動かしてもらうほうが理解が深めることができ、実際の感覚など具体的な情報提供ができる。商品・製品と来場者の距離が近くなるため、展示会後にブログやFacebookなどで紹介されやすい反面、マンツーマンのため、対多数の企画と比べるとブースに人を呼び込む集客力には欠ける。
(例)ソフトウエア、VR・AR、カメラ、ウェアラブル製品など
❹シアター型
大型モニターやプロジェクターをブースに設置し、凝ったつくりの映像で、物語的に見せるタイプ。集客力やメッセージ・イメージの伝達力は高いが、一方通行の伝達手段であるため、実感をともなった理解が必要になるような商品・製品には不向き。商品・製品の世界観・ブランドイメージを印象的に描く。ストーリー、映像の完成度に依存するが、クオリティが高いと集客効果が期待できる。
(例)企業(商品・製品)の未来ビジョンなど
❺パフォーマンス型
対象の商品・製品やサービスをパフォーマンスと結びつけながら見せていくタイプ。「実際に使われるシーン」を想定したミニ芝居や、イメージを喚起するダンスパフォーマンス、モデルを起用したファッションショー風の見せ方など、ステージでのプレゼン演出が多岐に考えられる。プレゼンを冒頭に入れ、その後ナレーターによる説明に移行するなど組合せしやすい。
(例)ファッション、宝飾
ブースの見た目
展示会の多くは「基礎小間」「基礎ブース」と呼ばれる出展プランを提供していることがほとんどです。基礎小間は長机やカタログスタンド、社名入りのパラペット、小さな照明、無地のカーペットなどで構成されています。基本的なプランのため、小規模かつ安価で提供されており、壁や床のデザインなどの自由度は低いことが特徴です。
広いブースやデザインに富んだブースを作る、という選択肢もあります。広ければ多くの製品を展示したり、同時に複数の商談を実施できたり、ブース内でプレゼンテーションをやるなど企画の幅を増やすことができます。またブースのデザインを工夫すると、訪問者の目を引き付けやすくなるため、集客に効果的で、企業のブランド認知にも貢献します。
ブースにお金をかけても当日対応できなければ無駄になってしまうので、出展規模やデザインの選択は、企業の対応力(展示会に参加する人数など)を考えて判断しましょう。
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広いブースのレイアウトは?
出展面積を大きくとったブースのレイアウトには主に4つのパターンがあります。パターンによって、ある程度、来訪者の動線をコントロールすることができるので、出展の目的を考慮して、どのパターンが良いかを決めましょう。
回遊型
最もオーソドックスな形状です。自由に展示物を見て回れる設計ですが、動線のコントロールには不向きです。複数の異なる商品やサービスを展示することに適しており、興味のあるものを自発的に見つけてもらう形のため、来訪者が主体的に動く必要がある型とも言えるでしょう。
一方通行型
サインなどにより順路が示されており、来訪者は決められた順番で商品やサービスを見ていきます。来訪者の回転率を上げることができますが、興味のある展示物をじっくり見るのには不向きです。ストーリー性を強く打ち出すことが可能で、記憶に残る体験につながります。
シアター型
ブース内イベントやプレゼンテーションを念頭に置いた構えです。ステージパフォーマーや映像を駆使することで、来訪者を楽しませるとともに、通常の説明員よりも詳しく商品・サービスの案内をすることができます。コストがかかる点と、一度に説明できる人数が限られてしまうのがネックです。
商談型
欧州ではかなりメジャーな部類となります。日本の展示会に比べて海外の展示会は、契約のために足を運ぶケースが多く、料理やお酒を楽しみながらじっくり話をできる環境が重視されているのです。ブースを壁で囲い外から見えなくするなど、高級感・特別感を演出したクローズド・ブースも人気を博しています。一方で十分な展示スペースが確保できなかったり、実機デモが困難だったりと、ほかの型とは一線を画した構造と言えます。
一度の出展で10小間以上を使うような大規模なブースは、これらを組み合わせた型も見かけられます。表を回遊型にし、裏でステージを行ったり、ブースの一部分だけを一方通行にするブースなど。いずれの型も一長一短なので、自分たちの目的に沿ったものを選ぶのが良いでしょう。
ブースのデザインと専門会社
デザイン性のあるブースで出展したい場合は、ブースのデザインを専門的に行う会社に相談します。一般的にブースのデザインを得意とする企業を「空間デザイン会社」「ディスプレイ会社」などと呼びます。
ディスプレイ会社には、展示会ブースの装飾を専門としている場合と、商業施設やオフィスの内装を専門にしている場合、またはその両方を得意とする企業など、対応の領域は異なるので、実績などを確認し、問い合わせましょう。
デザインを決める場合も、出展の目的や目標が重視されます。打ち合わせの前までに、できるだけ具体的に「何のために出展する」という目的と基本コンセプト、達成したいことなどをまとめておきましょう。「SDGsへの配慮をテーマにしたい」「近未来的な要素を取り入れたい」「商談を獲得できるブースにしたい」など、できるだけイメージを共有します。ディスプレイ会社に依頼する場合は、上記にあるようなプレゼンテーション形式やブースの型などまで、決めておく必要はありません。何が最適かわからなくても、ディスプレイ会社の多くは目的やコンセプトを元に、包括的に提案できる体制があります。