エクセリ、無線機×生成AIのイベント運営支援を「食べマルシェ」で実証

業務用無線機の販売・レンタルを手掛けるエクセリは、9月19日〜21日に北海道旭川市で開かれた「北の恵み あさひかわ食べマルシェ2026」で、IP無線機と生成AIを組み合わせたイベント運営支援の実証実験を行った。システムはJVCケンウッドが開発中のAI無線通信ソリューション「ULULA-i(ウルラアイ)」。エクセリは企画から自治体との調整、現場の機材設置・運用までを担った。

会場は旭川駅前広場と平和通買物公園で、約235店が出店し、延べ98.4万人が来場した。スタッフ用のIP無線機「KBX-P51」20台と会場カメラ、本部用ダッシュボードを連携させた。

  

検証項目

① 無線機からのAI問い合わせ対応

スタッフが無線機で質問すると、AIが運営マニュアルやガイドマップから出店場所、イベント情報、トイレの位置などを検索し、音声で答える。スタッフは資料を確認せずに来場者を案内できる。同社は、対応の効率化と経験に左右されない対応品質の均一化に効果があったとしている。

② カメラ映像による来場者状況の分析

会場カメラの映像をAIが解析し、対象エリアの日ごとの最大人数、時間帯ごとの人数推移、雨天との相関をレポートにまとめた。

③ 運営本部ダッシュボード

会場地図上のスタッフ位置、問い合わせ内容、カメラ映像を一画面に集約し、本部がリアルタイムで状況を把握できるようにした。

④ 無線音声のログ化と運営レポート作成

無線での問い合わせを発生時刻・位置情報とともに記録し、混雑状況の推移とあわせて分析した。これまで担当者の記憶にしか残らなかった現場のやり取りが、振り返りや次年度の計画、事実確認に使える記録になる。

  

最大の特徴は、スタッフが使い慣れた無線機をそのままAIの入口にした点だ。新たな端末の操作を覚える必要がないため、人手不足に悩む自治体や地域団体でも導入しやすい。人命や安全に関わる判断は運営本部の担当者が行い、AIは情報の検索・整理・可視化を担う。

エクセリは今後、自治体イベントのほか、防災・災害対応、除雪やインフラ管理、スポーツ施設などへ展開する。無線の通話を日時・位置とともに残す「声のドライブレコーダー」として、警備・物流・建設現場での活用も検討中だ。同社は、必要な期間・台数の無線機をシステムと一緒に貸し出す新たなレンタルモデルの構築を進めている。

編集/執筆/取材

展示会・MICEの最新情報を発信する専門メディア「イベスル」の公式編集部です。東京ビッグサイトをはじめとする見本市会場に足を運び、主催者や出展者への直接取材を通じた「一次情報」をお届けしています。ビジネスチャンスを創出する場としてのMICEの魅力を、現場の視点からレポートします。

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