加速する人材不足に対し業界特化の採用支援サービスを主体に 第一広房TOKYO/職人BASE

イベント・ディスプレイ業界に特化した企業と職人をつなげる人材マッチングアプリ「職人BASE」は、「業界特化の採用支援サービス」へと舵を切った。イベント業界の人材不足の状況と詳しいアップデート内容について、事業統括本部・本部長の赤坂拓也氏に聞いた。

第一広房TOKYO 赤坂拓也氏

―展示会・イベント業界における人材の状況の変化は

コロナ禍が明けて需要が回復していく中で、供給体制が追いついていないのが実態です。特に経験年数がある職人の高齢化と若手の人材不足が同時に進んでいます。

10年ほどイベント業界内で叫ばれ続けている人材不足がさらに進み、今まで業界を支えてきた馴染みの協力企業に依頼するという構造に、限界が来ている印象です。

ただし職人BASEのチームでは、ただ人材が不足しているのではなく「人材が適切に流通していない状態」が業界の課題の本質であると考えています。

―「職人BASE」の最新のアップデートは

人材の適切な流通を促すため職人BASEは現在、イベント・ディスプレイ業界の人材に特化した採用支援をサービスの中心に据えています。

開発当初の、単発の案件に対してフリーランスや外部パートナーの人材をマッチングするための設計から、採用の成功確率を高める設計に更新しています。

背景にはサービスに登録している企業から、人材採用がうまくいかないといった声が多く挙がっていたり、職人の皆さんからも単発で仕事を受注するより、安定した雇用を求める人が増えていたりといった状況があります。

また公開当初は約1800人だったユーザーも約1万人にまで増加しており、独自のネットワークや多様な接点を通じて継続的に人材とつながっています。

イベント企画制作や内装施工、音響・照明・映像、施工管理などイベントに必要不可欠な人材が集まり、そのうちキャリアアップなど前向きな理由も含め転職・定職に興味があるユーザーはおよそ7割となっています。

―職人BASEの業界特化の採用支援サービスの特徴は

採用支援サービスは単発の案件のマッチングよりも互いのニーズを詳しく把握する必要があり、企業と求職者の双方に丁寧なヒアリングを行っています。

募集背景、増員なのか欠員なのか、事業拡大なのか、求めるポジションまで詳しく聞きます。ヒアリングはオンラインの場合もありますが、できる限り直接企業へ足を運んで対面で行います。単純に求人票をもらうだけでなく求人票の裏にある本質を捉えながら、企業が求める人材を分析するためです。

同様に求職者にもどういう経歴なのか、今まで携わってきた仕事の規模、転職理由などをヒアリングします。書類選考だけで企業に紹介することはまずしていません。

企業によっては面談だけではなく、1日実際の現場に派遣し、社内のスタッフや仕事の進め方の雰囲気を体験させている仕組みもあり、その場合も職人BASEが間に立ち、準備や終了後のフィードバックについてフォローをしています。

他社のエージェントでは、イベント・展示会業界の知識がないため、企業と求職者のミスマッチが多くなると聞いていますが、職人BASEではイベント・展示会業界の特色を理解しながらヒアリングを進めていくため、企業とユーザーのニーズに沿ったマッチングがしやすい点が強みです。また人材を〝血流〞と捉え、現場を止めないための流通を設計している点も特徴です。

互いのニーズが合致すれば、イベント・展示会業界の求職者だけでなく、親和性がある業界の人材を紹介する場合もあります。従来転職市場で出会えなかった層との接点を作っていることに加え、コロナ禍でイベント業界から離れてしまった人材を呼び戻すパイプにもなっているのではないでしょうか。

またハイクラス人材を紹介するプラットフォーム「職人BASEプレミアム」を打ち出しました。若手だけではなく、即戦力のマッチングもカバーしていきます。

―今後のサービス展開で考えていることは

人材の見える化、構造化を進めていきます。具体的には登録者の職種や経験した案件の規模、現場での評価をデータとして整理し「この人なら信頼して仕事を任せられる」といった判断がすぐにできる状態を目指します。

引き続き採用を中心とした精度の高いマッチングに特化したアップデートを基本の方針としています。まずはイベント・展示会業界で単なる人材紹介ではなく、空間ビジネスを止めないための採用インフラとしてのポジションを確立し、採用に困ったときに想起してもらえるサービスとしていきたいです。

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